(10/10)セミナー「脱炭素社会を見据えた最新の膜分離技術-講演&事業所見学会-」

主催

化学工学会関西支部

協賛

近畿化学協会、日本化学会近畿支部、有機合成化学協会関西支部、日本分析化学会近畿支部、化学工学会分離プロセス部会、日本膜学会、分離技術会ほか(何れも予定)

————————————————————————————————————-

 膜分離は、液体および気体混合物中の特定成分を選択的に分離・濃縮する高度な分離操作であり、従来の熱分離法に比べてエネルギー消費量が少ない点から、持続可能な分離技術として注目されています。地球規模で進行する気候変動および発展途上国における急速な人口増加・経済成長に起因する深刻な水資源の逼迫に対しては、水の再利用や海水淡水化といった水処理技術の高度化が不可欠であり、膜分離はその中核技術として重要な役割を担っています。さらに、地球温暖化対策として注目される二酸化炭素の分離・回収や、脱炭素社会の実現に向けた水素エネルギーの利活用においても、高効率かつ低エネルギーな分離手法としての膜分離技術の応用が期待されています。これらの分野における膜分離プロセスの高度化・最適化は、環境負荷の低減と資源循環の実現に向けた鍵となる技術と位置づけられます。
 本セミナーでは、膜分離技術の基礎から応用までを幅広く取り上げた講演会と、膜材料および膜プロセス開発に取り組まれている東洋紡エムシー株式会社様の事業所見学を下記のとおり開催いたします。講演会では、二酸化炭素の分離回収、産業廃水中のアンモニアや有機溶剤の回収、水処理分野における濃縮技術など、膜分離技術を用いた最新の応用事例について、大学および企業の最前線でご活躍中の専門家の方々よりご講演を賜ります。
 膜分離技術の現状と今後の展望について総合的に理解を深めていただける、極めて有意義な機会となっております。皆様のご参加を心よりお待ち申し上げております。

日時

2025年 10月10日(金)13:00~17:10

開催形式

東洋紡(株)/東洋紡エムシー(株)総合研究所
[滋賀県大津市堅田2-1-1]

プログラム

 

 

開会挨拶(13:00~13:10)

1)

自立ナノ膜を用いた気体分離とCO2回収技術への展開(13:10~13:50)
九州大学 カーボンニュートラル・エネルギー国際研究所 教授 藤川 茂紀 氏

地球温暖化対策として、大気中の二酸化炭素(CO2)削減が必須である。このためには単に排出を削減するだけでなく、大気から直接CO2を回収する技術(Direct Air Capture, DAC)も必要である。様々なCO2回収技術のうち、一般的に膜分離は、低コストかつ省スペースな回収技術であり、また設置場所の制限が少ないという利点がある。我々は、厚み34nm程度しかないにもかかわらず平面サイズが数十cm2以上もある、自立したナノ膜を開発し、従来の数十倍のCO2透過度を実現した。この成果は、新しい炭素資源循環社会への一歩として重要である。講演では、分離膜によるDACを起点とした新しい炭素資源循環社会についても議論する。

2)

膜分離を用いた産業廃水からのアンモニア回収・再利用(13:50~14:30)

神戸大学大学院科学技術イノベーション研究科 客員教授 新谷 卓司氏

2050 年カーボンニュートラルの実現に向け、従来型リニア・エコノミーから資源循環型サーキュラー・エコノミーへと変革が求められている。大量消費・大量排出による環境負荷が顕著となっているアンモニアについても産業の需要を満たしつつ負荷を軽減する新たな方策が求められる。本発表では、廃水からのアンモニア回収を膜分離技術により確立し、窒素資源であるアンモニアの循環利用に対し革新的分離プロセスの創出について説明する。

3)

有機溶剤回収の歴史とこれからの技術(14:45~15:25)

日本リファイン(株)大垣営業部 堀  博氏

有機溶剤回収ビジネスは、産業の変遷とともに変化している。使用されて廃棄されていた有機溶剤を回収して循環使用することは現在求められているCO2削減におおいに貢献している。その分離技術として蒸溜が多く用いられるが、よりエネルギー消費の少ない分離技術が求められている。その歴史について具体例を挙げて紹介し、今後についても述べる。

4)

中空糸膜を用いた超濃縮技術および、その用途展開について(15:25~16:05)

東洋紡エムシー(株)分離膜開発グループ リーダー 安川 政宏氏

東洋紡エムシーではセルローストリアセテート(CTA)を用いた中空糸型の半透膜を販売しており、膜の使い方に応じて、逆浸透(RO)膜、正浸透(FO/PRO)膜、超濃縮(BC)膜としての使用が可能となる。本発表では、特に超濃縮用途のBC膜について紹介する。

5)

東洋紡エムシー(株)見学ツアー(16:10~17:10)

6)

名刺交換会(17:30~18:30) 於:東洋紡(株)社内

 

申込締切

9月26日(金)、ただし、定員30名になり次第締切.

参加費

主催・協賛団体個人正会員:20,000円、主催・協賛団体所属法人会員:24,000円、大学・公設機関:8,000円、学生会員:3,000円、会員外学生:5,000円、会員外:38,000円(何れも消費税込み)

・主催・協賛団体の他支部に所属の場合でも主催・協賛団体所属会員としてお取扱いします。
・会員外の方へ:化学工学会正会員に入会されると個人正会員価格にてご参加いただけます。参加費とは別に正会員年会費《2025年度年会(3月~翌2月分)11,000円》が必要です。詳しくは下記にお問い合わせください。

申込方法

Web上の『参加申込フォーム』よりお申込みください。
参加費は、銀行振込[りそな銀行御堂筋支店 普通預金No.0405228 名義 公益社団法人化学工学会関西支部]をご利用ください。 振込手数料はご負担ください。

※参加申込をされた方には10月上旬にE-mailにて詳細な参加案内等をお送りします。

問合先

  公益社団法人 化学工学会関西支部
  〒550-0004 大阪市西区靱本町1-8-4 大阪科学技術センター6階
  TEL: 06-6441-5531 FAX: 06-6443-6685 E-mail: apply(atmark)kansai-scej.org