(6/18) セミナー「持続可能な化学工業に向けてのプロセス強化の現状と今後の展望」(大阪科学技術センター)

主催

化学工学会関西支部

協賛

エネルギー・資源学会、近畿化学協会、日本エネルギー学会関西支部、日本化学会近畿支部、日本化学工業協会、日本プロセス化学会、分離技術会

本セミナーは、化学プロセスを強化することにより、持続可能な化学工業への道を探るべく、低炭素志向社会に向けた企業のRD戦略から単位操作等におけるプロセス強化策について、技術戦略及び持続可能な化学プロセスを支える有望な技術を俯瞰していただける企画です。化学産業に携わる企業は、CO排出量削減、化学物質の排出量削減及び省エネルギーなどに対して社会的責任があることは言うまでもなく、持続可能な社会へ繋がる化学プロセスの技術構築に対する責任もあると考えます。また、化学工学という学問体系をよりどころに生産方法、生産設備を組み立て、産業の発展へ貢献する中で、「持続可能な化学工業」に向けた新たな生産システムを確立していく必要があります。近年、その生産システムの核となる個々のプロセスを強化するという視点から活発に研究・開発が行なわれており、装置のダウンサイジング、化学物質の取扱量削減、安全性向上、省エネルギー、廃棄物排出量の削減などへ繋がるキー技術とは何かを探りたいと思います。多数のご参加をお待ち申し上げます。

日時

2010年 6月18日 (金) 10:00~17:10

大阪科学技術センター4階 405号室
(大阪市西区靱本町1-8-4 TEL.06-6443-5324)
<交通>地下鉄四つ橋線「本町」駅下車、25・28番出口を北へ徒歩約7分、うつぼ公園北詰め.
http://www.ostec.or.jp/data/access.html

プログラム

   【基調講演】  
1) グリーンサステイナブル志向社会を攻めの視点でとらえたプロセスRD戦略(10:00~11:00)
  (株)カネカ 取締役常務執行役員 研究開発担当 高橋 里美氏
  経済産業省が、2050年までに温室効果ガス排出量を現状から60~80%削減する事を行動計画として掲げている。この低炭素志向社会の中で、化学産業には積極的対応が求められる。カネカではこれをビジネスチャンスとして捉えた攻めの研究開発を推進してきており、ここでは持続可能社会へつながる弊社プロセス事例として、バイオマスを原料に微生物を利用し製造される生分解性樹脂PHBH及び、医薬品製造におけるシステム化したバイオ反応について紹介したい。
   
2) プロセス強化の展望と化学反応場への展開(11:00~12:00)
  神戸大学工学研究科応用化学専攻 教授 大村 直人氏
  プロセス強化の概念と動向を簡単に述べたうえで、流動場の強化による反応促進について事例を交えて述べる。
   
3) マイクロリアクターによる次世代化学工業のプロセス強化への応用展開(13:00~14:00)
         京都大学工学研究科化学工学専攻 教授 前  一廣氏
  マイクロリアクターの特徴を概観したのち、マイクロによるプロダクト&プロセスエンジニアリングのロジックを事例とともに紹介する。さらに、1万トン/年の生産能力を有するマイクロリアクターを紹介し、少量多品種のみならずバルク化学にも適用できることを実例を交えて示すとともに、この技術をもとにどのような次世代化学産業(ビジネスモデルも含む)が展開されるかを展望する。
   
4) ナノ多孔質膜による分離精製技術の新展開(14:00~15:00)
  早稲田大学先進理工学研究科応用化学専攻 教授 松方 正彦氏
  規則性ナノ多孔質材料を用いた分離膜の開発が進められている。これらの材料は耐有機溶剤性、耐熱性に優れるため、有機物の分離濃縮に好適である。本講演では、これら新しい膜材料を用いた新しい分離精製技術により、石油化学工業において大規模な省エネルギーが可能であることを示す。
   
5) 環境調和型新規空気酸化触媒技術「NI技術」の本格外販 ~NI技術汎用化に相応しい新規プロセスの創出と強化~-反応技術の強化-(15:10~16:10)
  ダイセル化学工業(株)研究統括部コーポレート研究所 主席研究員 中野 達也氏
  弊社では、関西大学 石井教授との産学連携により新酸化技術(NI法)の実用化展開に取り組み、さらにその成果をもとにした経済産業省補助事業への協力による産学官連携により、バルクケミカルズの工業化研究を成し遂げた。今後は産学連携と産学官連携の成果を広く普及して行くために基礎的なNI技術要素パッケージを体系化した。本発表では、NI技術の本格外販(ライセンス)を広く実施するに当たり、これまでの軌跡と今後の展開を紹介する。
   
6) 亜臨界水場を用いたプロセス研究と実用化-プロセスにおける場の強化-(16:10~17:10)
  大阪府立大学工学研究科物質系専攻化学工学分野 教授 吉田 弘之氏
  未利用バイオマス及び有機性廃棄物を亜臨界水処理により、資源・エネルギー化するためのプロセス研究の概要を、食品廃棄物及び下水汚泥を例に紹介する。さらに大学内に建設したパイロットスケールプラントを概説するとともに、連続亜臨界水処理プラント内の流動及び反応解析の結果を紹介する。
   
  【ミキサー】(17:15~18:15) 同所4階402号室
※ 講師・聴講者でアフターディスカッションを行いますので、お時間の許す限りご参加下さい。

定員

60名(定員になり次第締切)

参加費

主催・協賛団体個人会員12,000円、主催・協賛団体法人会員15,000円、会員外23,000円、大学・公設研究機関7,000円、学生3,000円、会員外学生5,000円 (何れもテキスト代、消費税含)

※会員外の方へ

化学工学会個人会員に入会されると18,400円([参加費:12,000円]+[年会費(6月~翌年2月)6,400円])でのご参加になります。詳しくは下記にお問い合わせ下さい。

申込方法

標記タイトルを題記し、(1)氏名、(2)勤務先・所属、(3)連絡先(住所、郵便・電話番号)、(4)会員資格、(5)送金方法を明記のうえ、下記宛お申し込み下さい。参加費の送金は、銀行振込(りそな銀行御堂筋支店普通預金 No.0405228 口座名義「社団法人化学工学会関西支部」をご利用ください。
※参加決定者には参加証を送付いたします(6月上旬)。

申込先

  公益社団法人 化学工学会関西支部
  〒550-0004 大阪市西区靱本町1-8-4 大阪科学技術センター6階
  TEL: 06-6441-5531  FAX: 06-6443-6685  E-mail: apply(atmark)kansai-scej.org