(2/22)実践化学工学アドバンスト講座「撹拌・混合-性能評価技術の深掘りとCFD解析-」

申し込み締め切りました。

主催

化学工学会関西支部

協賛

化学工学会粒子・流体プロセス部会

 化学プロセスの汎用装置である撹拌槽内部の流れ,熱・物質の移動現象,反応現象を把握することは,装置の最適設計や最適操作条件を検討する上で重要である.化学工学便覧などの技術書には各種撹拌操作に関する設計資料が相関式や図表の形でまとめられているが,それらを活用するためは複雑な流動状態の下で進行する現象の支配因子に対する考察が不可欠となる.近年,コンピュータを用いて流体運動方程式を数値的に解くComputational Fluid Dynamics (CFD,数値流体力学)が著しく進展し,実験的には実施が不可能な,槽内の複雑な流動現象,熱・物質移動現象,反応現象のシミュレーション解析が可能となりつつある.パッケージ化されたソフトウェアが開発・市販され,設計業務やR&D開発のDX推進を図るためにCFD解析技術を導入している企業が国内外で増加している.
 このような状況を踏まえ,本アドバンスト講座の前半では,槽内現象の支配因子を考察し,設計式や設計パラメータをより適切に活用するための考え方や方法論を解説し,その適用事例を紹介する.後半では,CFDシミュレーション技術の概要,現象を支配する方程式とそれを撹拌槽に適用するときに留意すべき事項を説明した後,撹拌槽内の流動現象や移動現象のシミュレーション結果ならびに性能評価事例を紹介する.このように本講座では,既往の性能評価技術の深掘りとCFDシミュレーション解析を通して,撹拌・混合に関する技術力の深化とDX推進を目指した内容の講義を行う.

日時

2023年 2月22日(水)9:00 ~ 17:00

会場(開催手段)

①対面式(会場):大阪科学技術センタービル7階701号室(大阪市西区靱本町1-8-4)
        http://www.ostec.or.jp/access.html
 <交通>Osaka Metro(地下鉄) 四つ橋線「本町駅」25番・28番出口を北へ約5分 (うつぼ公園北詰)

②WEB配信(Zoomによるオンライン配信)

プログラム

9:00~
12:30
「性能評価法のグレードアップと実務への適用」
 講師:元株式会社ダイセル 亀井 登 氏

1.はじめに
2.均相系撹拌の基本特性
 2.1 槽内の流れの構造
 2.2 撹拌所要動力(1 邪魔板なしの条件、2 邪魔板ありの条件、3 撹拌翼の取付け位置の影響)
 2.3 混合時間(1 乱流撹拌におけるトレーサーの滴下位置と邪魔板条件の影響、2 混合時間に影響する因子)
 2.4 高粘度撹拌
3.異相系撹拌の主要設計因子
 3.1 固液系(1 物質移動係数、2 相分散限界回転数、3 粒子径が小さな場合~乱流消散について)
 3.2 液液系(1 液滴径、2 物質移動係数)
3.3 気液系(1 ガス分散のメカニズムと動力の挙動、2 物質移動量の推算、3 その他の気液反応例)
4.実務課題に対する対処事例
 4.1 邪魔板取付けなどに関する豆情報(1 部分邪魔板、2 邪魔板の取付けクリアランスの影響、3 棒状の邪魔板の動力特性、4 多段翼の翼間距離の影響)
 4.2 混合時間に関わる問題(1 原料滴下反応時の撹拌条件、2 軽微な変更による混合性能向上の考え方)
 4.3 固液系に関わる問題(1 粒子濃度が高い時の固体粒子の分散、2 連続型溶解・反応槽の撹拌装置設計、3 高濃度スラリーの混合問題、4 高粘度液への粉体の溶解)
 4.4 液液系に関わる問題(1 分液を伴う場合の液液混合条件設定、2 スケーリング回避の問題)
 4.5 気液系に関わる問題(1 大量通気条件の撹拌装置、2 気液物質移動量の計算、3 水添反応のトラブル対策)
5 おわりに
13:30~
17:00
「撹拌のCFD解析と性能評価」   
 講師:呉工業高等専門学校機械工学科 教授 高田 一貴 氏

1.はじめに(CFDの意義)
2.撹拌CFDの最近の動向
(・論文レビュー(異相系,反応の解析例もあれば含めて)・撹拌CFDの課題)
3.支配方程式と流体モデル
(・Navier-Stokes方程式,エネルギー、物質の輸送方程式・乱流モデル(RANS,LES,DES等)の特長・異相系流体モデル)
4.撹拌CFD解析法の特徴
(・バッフル固定、撹拌翼回転の解析スキーム・非定常解析による取り扱いの煩雑さと膨大なデータの取り扱い)
5.解析モデルの作成、計算条件の設定とソルバー
(・モデル作成の現状・3D-CADの活用・代表的な境界条件、ソルバーについて)
6.均相系撹拌槽の基本特性の評価と検証
 6.1 フローパターン
 6.2 吐出流量
 6.3 撹拌所要動力
 6.4 混合の進行と混合時間
 6.5 伝熱係数
7.シミュレーション解析事例
 7.1 自由表面をもつランキン渦(CFD予測と観察結果の比較)
 7.2 乱流翼の吐出流量(傾斜パドル翼の幾何条件が吐出流量に及ぼす影響を検討)
 7.3 特殊大型翼[回転投影面積の影響評価](動力,吐出流量,伝熱特性などの撹拌性能評価)
 7.4 ガス巻き込み現象について(液面からのガス吸収(二流体モデルを用いたフローパターンと実験との定性的な比較検討))
 7.5 固液分散(離散粒子法による分散性能の評価)
8.スケールアップに関する検討事例
(・乱流撹拌槽の動力数の予測と既存のスケールアップ則(Pv一定)の検討・大型翼を使用した高粘度液撹拌槽のスケールアップ検討)

定員

対面:25名(先着順) オンライン:40名(定員になり次第締切)

参加費

化学工学会正会員 19,000円、化学工学会法人(懇話会含む)会員 23,000円、会員外 30,000円
(消費税、テキスト代を含む)

申込方法

『参加申し込みフォーム』よりお申込みください。
または、「実践化学工学アドバンスト講座[撹拌・混合]受講申込」と題記の上、(1)氏名、(2)勤務先(所属)、(3)連絡先(所在地、E-mail、TEL)、(4)参加方法(対面orオンライン)、(5)会員資格、(6)請求書の要/不要 を明記の上、お申込下さい。受講料は、銀行振込(りそな銀行御堂筋支店普通預金 0405228「公益社団法人化学工学会関西支部」名義)に送金下さい。(振込手数料はご負担願います)
※受講者には、2月中旬頃にテキストを送付し、オンラインの視聴方法等をご案内いたします。
※講義当日には関数電卓を各自でご準備下さい。

注意事項(オンライン参加の方へ)

※オンライン配信ツールは「Zoom」を利用します。
※パソコン・タブレット等、聴講(受信)に必要な機材や設備は各自でご準備ください。
※講演資料の録画・録音および第三者への譲渡、無断でSNS等に公開することは一切禁止します。 これらの行為を発見した時は、強制退出させていただきます。

申込先

公益社団法人 化学工学会関西支部
〒550-0004 大阪市西区靱本町1-8-4
大阪科学技術センター6階
TEL: 06-6441-5531
FAX: 06-6443-6685
E-mail: apply(atmark)kansai-scej.org