支部長挨拶(H27・28年度)

支部活動に対するご理解とご支援のお願い

「交流」のさらなる進展を目指して

 化学工学会関西支部のホームページにお立ち寄りいただき,誠に有難うございます。平成27・28年度の関西支部長を拝命しております,京都大学・化学工学専攻の宮原です。

 私事ながら,小職は平成11・12年度に初めて支部幹事を務めました。「事業企画委員長」という,支部セミナー行事の取り纏めをさせていただく立場だったのですが,私がどうこうせずとも,幹事各位が熱心に企画に尽力されていたのを思い出します。2度目は(通常,京大化工では教員のまわりもちで,およそ10年に一期ほどのご奉公ゆえ)平成19・20年度です。しかし,以来なぜか縁あって,続いての21・22年度,また25・26年度にも支部役員を拝命し,今期で通算5期目となりました。いずれの期を思い返しても,やはり,支部幹事各位の熱意と,関西特有の「少々のボケとツッコミ」の入り交じった,和気藹々とした支部活動が続いてきたと思います。

 こうした,積極的かつ気さくな雰囲気から生まれ出た活動は,会員各位への種々の貢献を果たしていると,手前味噌ながら感じております。学会本部の表彰の一つに「地域CT賞」というものがあります。これは,各支部の活動の中で,支部の活性化や会員サービスなどの観点から高い成果を上げており他支部の参考になるようなものを選出し表彰するものです。本部のHP(http://www.scej.org/award/other-awards/award-region.html)をご覧いただければ瞭然ですが,関西支部は,2009年度以来,続けて6年度にもわたってこの表彰を受けており,支部活動の活発さの証左に他なりません。幹事各位のご尽力と,会員各位のご協力・ご参画のたまものです。以下にリストしましょう。

 2009:「医薬品製造に関わるGMPの最新動向:講演会&見学会」
 2010:「実践化学工学講座」
 2011:「国際交流-上海市化学工学会との交流」
 2012:「技術シーズフォーラム」
 2013:「若手研究者・技術者の自主交流の場【CES21】の活動」
 2014:「プラント・プロセス研究会の活動」
各々の詳細は,ぜひ支部HP内をご覧下さい。
―――――――――――――――――――――
 現状の,上記に象徴される充実をみれば,私はあまり何もしなくて良さそうです――え?ダメ?さらに向上させろ?――は,は,はい~。。。
―――――――――――――――――――――
 天の(歴代支部長の??)声に叱られましたので,いくばくか,向上の目標を以下にお示しします。

●GMPに並び立つ恒常的セミナー企画:GMPは,ご担当幹事の献身的ご尽力で毎回の盛況を頂いており,下卑た話ながら支部の経済状態にも多大な貢献を頂戴しています。製薬系企業が多いという関西の利がそこにあるのでしょう。この上は,関西の化学産業の特質に合った「恒常的セミナー企画」を,もう一つ,ぜひ立ち上げられればと考えており,未確定ながら「マイクロリアクタ」がそれに適した題材かと考えております。さらには,プラント操作に関わる「安全」も重要でしょう。
●実践化工の前段階の導入的講座:もともと化学工学を学んでいない実践化工の受講者のうち,少なからぬ人数が「難しい」と感じているようです。単位操作や反応工学より手前の段階の,導入的・入門的・啓発的な講座の開設が望ましいと考えています。
●CES21世代以下の交流の場:自主的に活発な活動を繰り広げているCES21は大成功の事例です。しかし,30歳前後+αほどの受け皿は現在乏しく感じます。その一方で,この年齢層の技術者・研究者は,技術的な交流やアドバイスを最も渇望していると思われ,支部を足場にした活動こそ,お役に立てるのではないでしょうか。なお,この層は「会社から抜け出しにくい」環境にあると思われますので,実施の暁には,上司各位のご理解とご寛容を頂戴できればと,あらかじめお願いを申し上げます。

 一朝一夕には活動を拡げられませんが,現状に甘んじることなく,会員の皆様により良いサービスを提供していく所存ですので,若い技術者・研究者の方々も積極的に集っていただき,外部交流の場としてご活用いただければ幸いに存じます。ぜひ一度,化学工学会関西支部のセミナー・研究会等に参加し,外部ネットワークを広げていただきたく,また,自らを成長させる場としてご活用されることを願いつつ,皆様のお越しを心よりお待ち申し上げております。
―――――――――――――――――――――
天の声「宮原は,やっぱり,話がながいなぁ。。。困ったやっちゃ。。。」
へ? あ,その,す,す,すみませ~ん m(T_T)m
―――――――――――――――――――――

公益社団法人化学工学会 関西支部長 宮原  稔
(京都大学大学院工学研究科化学工学専攻 教授)